マラソン中の心肺停止は意外と多い。安全10か条でより良い大会を!

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2/14は暑かったですね!

東京は23℃まで上がり、5月下旬の陽気でした。

高知では、高知龍馬マラソン2016があり、こんなニュースを見つけたので、ご紹介。

高知新聞:高知のニュース:医療・健康:高知龍馬マラソンの医師ランナーたちが救命リレー 「完走より命」

2月14日の「高知龍馬マラソン2016」でレース中に倒れ心肺停止状態となった男性が、ランナーとして近くを走っていた医師や救急救命士、看護師らの行動によって一命をとりとめた。救護に当たった医師らはレースの棄権を余儀なくされたものの、「完走するより命が助かったことがうれしい」と話している。 

(中略)

大会事務局によると、レース中、20~60代の10選手が脱水症状や熱中症などの疑いで病院に救急搬送された。そのうち2人が一時、心肺停止状態だったが、AEDを使うなどしていずれも自発呼吸や意識が回復し、命に別条はないという。

まずは命に別状がなくてよかったと思います。

今回はマラソンと心肺停止の関係についてわかっていることをまとめました。

マラソン中に心肺停止って多いの?

一般的に、心停止(死亡、蘇生を含めて)は、

フルマラソンでは、10万人に1.01人、

ハーフマラソンでは、10万人に0.27人

発生するとの報告があります。

( Simon CM, et al:Am J Sports Med, 40:1495, 2012)

その発生頻度は、30km以後で最も高くなっていて、当然疲労が蓄積することと、完走するために少しの症状があっても無理をするのではないかといわれています。

そして、マラソンでの死亡については10万人で0.75人という報告もあり、男性がほとんどで女性の例はきわめて少ないとされています。

また別のデータでは、日本陸連公認コースマラソン大会において報告された心肺停止例(2011-2012年度)は、11 例ですべて男性であり、全員救命され、発生地点は、15〜42km と広い範囲だったというのもありました。

調べてみると、決して少なくないようです。

マラソンで心肺停止にならないためには?

平成25年に日本体力医学会ガイドライン検討委員会と公益財団法人日本陸上競技連盟医事委員会 が「マラソンに取り組む市民ランナーの安全10か条」というのを発表しているのをご存知でしょうか?

  1. 普段から十分な栄養と睡眠をとりましょう。
  2. 喫煙習慣をやめましょう。
  3. メディカルチェックを毎年受けましょう。
  4. 生活習慣病がある方は、かかりつけ医とよく相談しましょう。
  5. 計画的なトレーニングをしましょう。
  6. 気温、湿度に適したウエアの着用と、適切な水分補給をしましょう。
  7. 胸部不快感、胸痛、冷や汗、フラツキなどがあれば、すぐに走るのを中断しましょう。
  8. 足、膝、腰などに痛みがあれば、早めに対応しましょう。
  9. 完走する見通しや体調に不安があれば、やめる勇気を持ちましょう。
  10. 心肺蘇生法を身につけましょう。

僕たち医師が関わるところは、10か条のうち、3.と4.ですね。

僕は小児科医なので、患者(こども)からマラソンをしたいと相談は受けたことはありませんが、知り合いの内科医の何人か聞いてみると、「患者から事前に相談を受けたことはないけど、事後報告で『完走しました!』っていう報告はよく聞く」とのことでした。

医師仲間でも話しましたが、これってすごく怖いことですよ…

高血圧や糖尿病、脂質異常症などで毎日薬を飲んでいる人は、必ずかかりつけに相談しましょう!

もちろん健診(メディカルチェック)を受けるのは大前提ですよ。

ちなみにランニングドクターを採用している大会もある

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大会側も最近はきちんと対策を行っています。

AED(自動除細動器)や救急隊を大会会場に配置したりしています。

そして、医師も一緒に走りながら万が一に備えている大会もあります。

それがランニングドクターです。

ランニングドクター®とは、NPO法人日本医師ジョガーズ連盟(JMJA)に所属するランニングを愛好する医師あるいは歯科医師に対する呼称で、JMJAにより商標登録されています。ランニングドクター®は各種ランニングイベントに一般ランナーとともに参加し、コース内から医療監視を行い、万が一ランナーの健康上重大な事象に遭遇した場合は、自らのレースを中断あるいは中止してその初期対応に当たります。

NPO法人 日本医師ジョガーズ連盟 (JMJA)

有名な大会では、2/28に行われる東京マラソンや3/16に行われる名古屋ウィメンズマラソンがあります。

まとめ

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マラソンでの心肺停止は少なくない。

マラソンで完走すること、ベストを出すことも大事ですが、安全10か条を守って、自己管理をしっかり行いましょう!

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